ルームクリップ株式会社

機械学習エンジニアの採用よりLazuli PDPを選択した理由は、導入スピードとコスト。データ整備はルームクリップのデジタルビジネス成長への鍵。

Jan, 20, 2023

Lazuli PDPを実際に導入いただいている企業の方に、導入の決め手や実際に運用している事例、解決できた課題などをうかがうシリーズ。今回は、住生活の領域に特化した日本最大級のソーシャルプラットフォーム"ルームクリップ株式会社(以下ルームクリップ)"のEC事業部 ジェネラルマネージャーの阿南 明日郎さんにお話をうかがいます。

  • 導入前の課題

    RoomClipショッピングの成長に必要なデータが整備されていなかった。 エンジニアの採用だけでは求めるスピード感が実現できなかった。

  • 導入後の効果

    導入後わずか半年でデータ整備とオペレーション準備ができた。 社内でのR&Dが必要なくなり、すぐに本格的なシステム稼働が可能になった。

アイデアを見つけるだけではなく、実現できるところまでをシームレスに

--最初に阿南さんのご経歴を簡単に教えていただけますか。

阿南:私は2016年にエンジニアとしてルームクリップに入社し、最初はWebとアプリの開発に携わりました。そこから事業開発的な業務を担当した後、2020年からtoB SaaSのRoomClipビジネスのプロダクトマネージャーとしてプロダクト開発に従事しつつ、同時にRoomClipショッピングのリリースに向けて、出店いただく企業向けの機能開発をメインに担当しました。

直近ではプロダクト開発だけではなく、マーケティングなどを含めたEC事業全体をマネジメントしています。

--現在はEC事業部のジェネラルマネージャーとしてRoomClipショッピングの業務にあたられてますが、RoomClipショッピング戦略をお聞かせいただけますか。

阿南:ルームクリップは、ゼロからEC事業を始めたという認識はありません。と言うのも、すでにRoomClipにはユーザーの方々が集まってきており、数字でいうと600万MAU(月あたりアクティブユーザー数)の実績があります。この実績があるからこそ、RoomClipショッピングに着手できたというのが背景にあります。

こうした背景がある中で、RoomClipユーザーの方々は何を求めてるのか? という点に注目しました。純粋にSNSとしてご利用いただいている部分はあると思うのですが、暮らしを変えたいと思ったときのアイデアを求めて来ていただいているユーザーもたくさんいるだろうと考えています。

アイデアだけで完結するのではなく、暮らしを変えるために、実際に商品を購入しようとなったときに、従来のRoomClipでは別の場所(Amazonや楽天などのECサイトや実店舗)で商品を購入するというユーザー体験になっていました。これをルームクリップ内に取り込むというのが大きな戦略になっています。


--Roomclipショッピングは2021年3月からスタートされてますが、現時点における目標については?

阿南:Gross Merchandise Value*100億円を最初のマイルストーンとして設定しています。現在はこれに向けてプロダクト開発とマーケティング機能を充実させているフェーズですね。

これまでは写真を中心としたアイデアや実現手段を見せることはできていたと思います。次のステップとして、それをいかに商品へのスムーズな購買導線を作り上げるかが課題だと考えています。ですので、RoomClipに来訪して「いいな」で終わるのではなく、「そのまま購入してみよう」という購買につなげるためのプロダクト開発とマーケティング機能を積極的に展開しています。

暮らしを変えるためのアイデアを見つけるだけではなく、それを実現できるところまでをシームレスに繋いでいくことを常に考えています。

*Gross Merchandise Value=流通総額。モール型ECサイトやアプリなどのプラットフォームにおいて顧客が購入した商品の総額を指す。通称GMV。

ユーザー、写真、商品の3つの軸でデータを設計・整備

--RoomClipショッピングを始められてから1年半以上が経過しましたが、直面した課題についてはいかがですか?

阿南:写真を見に来たユーザーの方々に、導線をつければ商品ページに流入して購入してくれるだろうというのが誤算だったことがわかりました(笑)。というのは、RoomClipに来訪しているユーザーのモチベーションはアイデア収集やSNS利用に向いていて、購買のモチベーションに切り替えるためのスイッチが別で必要になりそうだと現時点では考えています。

そうしたときに、RoomClipで見つけるだけではなく、次の一歩を踏み出してもらうための文脈づくりが大きな課題の1つだと考えています。文脈づくりにおいては、「自分ごと化」してもらうことが大事だと思っています。「私の課題ってこういうことだったんだ」という気づきから自分ごと化してもらうためのコンテンツや情報をもっと強化していきたいですね。

また、いきなりRoomClipにやって来て、そのまますぐに購入というケースはまれだと想定しています。何度か来てもらってコンテンツを見て、信頼できるデータがあることを理解してもらいながら浸透させていくことが大事だと思ってます。消耗品などと異なり、金額や耐用年数の面でも、家具は商品データやサービスに対しての信頼性がより重要になってきますからね。

加えて、ユーザーレビューも信頼につながってくる部分だと考えています。RoomClipのレビューは実際に使ってみたユーザーの声であることが大きな強みです。他のECサイトで見かける「まだ届いてないけど期待込めて」とか「配送業者の対応が良くなかったから」といった商品そのものに関係のないレビューはありません。

--RoomClipショッピングにおける商品データについて留意されていることはありますか?

阿南:RoomClipショッピングが成長する上で大事なのは、イメージと実現手段をセットにすることです。この精度をいかに高く保つか、どれだけたくさんデータを貯められるかがキーとなります。

RoomClipショッピングを始める前から商品にアフィリエイトリンクをつける機能があったので、写真と商品が紐付けられたデータは一定数は存在しています。しかし、これらのデータはバラバラで、整理されていない状態でした。

つまり、ある写真についている商品Aと別の写真についている商品Bは実際は同じものなのに、データとしては別々に存在している状態です。RoomClipショッピングの商品データとこの別々にある商品A、Bのデータの整合性を取っていきたいと考えていました。


というのも、商品を見たときにできるだけ多くの写真を見ることができるようにしておくことを重要視していたので、データ整備をする上では、写真と紐づけた状態で商品マスタ化が必要だったんです。

--今お話いただいたことを解決するためにどういう手段が選択肢に挙がったのでしょうか?

阿南:最初は社内にいる機械学習のエンジニアと私の2人でR&D的に進めるプロジェクトを立ち上げました。しかし、時間も限られている中でなかなかプロジェクトが進捗しない状況にありました。専任のエンジニアを採用することも検討しましたが、採用がうまく行っても結局R&Dは必要になってきます。そうすると、実際にサービスが導入されて稼働するまでの期間で考えるとかなり長期のプロジェクトになってしまうと感じていました。

人材以外の切り口で解決できないかと考えているときに、Lazuli PDPを知りました。今回導入を決めたポイントは大きく2つあります。

1つはスピーディーな導入ができる点です。人材を採用するとなると年単位のプロジェクトになってしまうと想定していましたが、Lazuliが持っているナレッジを活用させていただくことでR&Dをする必要なくすぐに本稼働できるのはかなり大きいポイントでした。

もう1つは、社内で進めていたR&Dプロジェクトの経験もあったため、LazuliとのPOCをやっていた中で、結果の妥当性に納得ができたからです。この2つがLazuli PDP導入の決め手になりました。


--Lazuli PDPを導入いただいて半年が経過しましたが、現状と今後について教えてください。

阿南:現在はデータの整備を含めてオペレーション構築の準備ができてきた段階で、システム稼働がスタートできています。

私たちはこれまで2つの大きな軸「ユーザー」と「写真」で10年ほどサービス運営をしてきて、こうしたデータをきれいに保つ重要性をサービス運営の中で日々感じています。言い換えると、ちゃんとやってないと後々自分たちが苦労することを認識してるんです(笑)。そして現在、3つめの軸「商品」が加わって、今回は同じ轍は踏まないぞという思いもあります。

現時点でデータ整備がされていなくても、目の前の目標をクリアすることは難しくありませんが、RoomClipの成長サイクルを5年後・10年後で考えたときには、きちんとデータが設計・整備されてないと会社としての成長にデータ活用の観点からレバレッジがかかりにくい事態に直面することも十分にありえます。これは短期的にはEC事業を成長させたい社員として、長期的に見るとルームクリップというサービス好きな一社員としても必ず取り組まなければならない課題だと認識しています。

今後はSNSでのユーザー行動データと商品データの分析をマージすることで、事業者の方へのマーケティング支援に活用いただけるデータを提供できればと考えています。SNSから始まったルームクリップだからこそできる私たちの強みだとも思っています。

 

※ ページ上の内容は2022年12月時点の情報です。

写真・大塚まり